日本性感染症学会 第33回学術大会

会長挨拶

日本性感染症学会 第33回学術大会開催にあたって

日本性感染症学会 第33回学術大会
会長 石地 尚興
(東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座)

 この度2020年12月5日(土曜日)6日(日曜日)に、東京慈恵会医科大学講堂におきまして、日本性感染症学会第33回学術大会を開催する運びとなりました。東京慈恵会医科大学で担当させていただくのは、第6回の新村眞人皮膚科教授(1993年当時)、第20回の小野寺昭一泌尿器科教授(2007年当時)、第24回の本田まりこ皮膚科教授(2011年当時)、第31回の清田浩泌尿器科教授(2018年当時)以来5回目となります。重要な学術大会を担当させていただくのは大変光栄なことであり、実りある大会にすべく鋭意努力していく所存でございます。
 近年わたしたち人類を取り巻く環境は大きく変化しております。気候の変動は感染症の分布を変え、国際化はパンデミックのリスクを大きくしています。ネットの普及はコミュニケーションのあり方を変え、AIや生殖医療の発展は、性のあり方にも影響を与え始めています。性感染症もその中にあってどのような経過をとるのか注視していく必要があります。
 日本性感染症学会は診療科の枠を超え看護、教育、疫学、医療衛生行政を含めた専門家の集まりとして、性感染症に関連する学術・研究活動を推進しております。足元を見ますと、梅毒は急速な増加がみられており、一般男性や若い女性に広がりをみせています。若い女性の梅毒が増えていることで、先天梅毒児も増えています。子宮頚癌に関与するHPV感染はワクチンが開発されていますが、わが国では十分な活用がなされていない状況が続いています。性器クラミジア感染症は、わが国でも多くの感染者がおり、潜在的な不妊症のリスクが指摘されています。淋菌については多剤耐性菌が広がりを見せており、世界的な問題となっています。このような課題に対応していくことが喫緊の課題であります。
 今回の学術大会では、テーマを「性の未来・感染症の未来-AI時代の性感染症対策を考える」とし、性感染症のみならず、感染症の問題、性の問題について広く考えるセッションを設けました。中心となる性感染症についても性教育や公衆衛生、予防、検査、治療を含めた実地医療から基礎研究まで幅広いディスカッションがなされることを期待しております。
 会場となる東京慈恵会医科大学西新橋校は第31回学術大会と同じ会場になります。都心のアクセスしやすい立地ですので、是非オリンピックパラリンピックの余韻の残る東京にいらしていただき、学術大会への積極的なご参加をお願いいたします。

このサイトについて|Copyright © 日本性感染症学会 第33回学術大会 All Rights Reserved.